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安売りで儲かる店と、つぶれる店の違い

更新日:2018年8月3日

ディズニーに車や電車でいらっしゃる方々はご存じないかもしれませんが、JR舞浜駅の1階(改札の下の階)にサイゼリヤがあります。

私はサイゼリヤ大好きです。美味しいし、お店の人も良い感じだし、何よりも価格がお手頃なので、ワインからサラダ、スープ、パスタ、肉料理、デザートと2千円以下でフルコースが食べられます。


サイゼリヤ限らず、なぜ安価なお店を続けられるのでしょうか?


今回は簡単に売上げと原価、利益に関係をご説明します。


【問題1】

仕入れ値7000円のペンを10000円で売ると月に10本売れます

2割引で売ると月に18本売れます

どっちが良いですか?


まず、10000円で売る状態を図にします


利益は3万円です







ではつぎに2割引で売った場合です


利益は1万8千円です


値引きを表明する広告や販売努力も必要になり、骨折れ損のくたびれもうけになります。



つまり、値引きをしない方が1万2千円利益が多く、値引きをしない方よいということです


では別のパタン


【問題2】

仕入れ値3000円のペンを10000円で売ると月に10本売れます

2割引で売ると月に18本売れます

どっちが良いですか?


まず、10000円で売る状態を図にします


利益は7万円です







ではつぎに2割引で売った場合です


利益は9万円です


値引きを表明する広告や販売努力を考えても、こちらの方が儲かります。





以上か考えられることは

安売り店が儲かっているのは粗利率が高い商品を安く売っているからです。

つまり徹底したローコストオペレーションで粗利率を高くしているからです。

薄利多売といっても、業態や商品によって儲かる場合も、儲からない場合もります。


では

これから創業しようとお考えのかたは、どのように価格設定をたら良いでしょうか。


【私があまり勧めしない方法】

世の中で設定されている価格、特に中小企業が得意な分野の商品の価格はけっこう適当に設定されています。

ほとんどの中小企業が価格戦略を持たないからです。

価格戦略を持たないでの価格設定は下記の2つになる傾向があります

 1.原価に一定の利益をのせる方法

 2.類似商品や代替品の価格を参考に決める方法


1.原価に一定の利益をのせる方法

この方法では原価の安い商品は安売りになりがちです。あなたが努力して、少しでもお客さんに良いモノを届けようとがんばってもその努力が利益として報われることはありません。とっても悲しい価格設定です。


2.類似商品や代替品の価格を参考に決める方法

そもそも多くの会社では値決めのテクニックを知りません

だからエイヤァ!とばかりに山勘で価格を決めています。

続く会社はその価格を参考に自社の価格を決めるのですから、的確な値決めになっていません

市場価格は実はこうやって決められる場合が多いのです

そんな価格で、売れるの、売れないの、儲かるの、儲からないのと大勢の人が文句を言っています

あなたの商品やサービスが類似商品や代替品とくらべてとてつもなく優れていれば高い金額がつけられます。でも知名度が低い初期段階に購入を決意してもらうとき、人はどうしても弱気になり安くしてしまいがちです。あなたのブレない気持ちが大切です。


【私が勧めする方法】

では、どうするのか?

価格設定の前に、起業することを決意した理由を考えてみてください。


自分の生活費をかせぐ「生業」を目指す起業なら

1ヶ月に自分が生活するに十分な収入(利益)を元に考える方法があります

1ヶ月にいくらの売上げが欲しいか÷1ヶ月に何件の受注があるかで販売価格を考えます


家族の生活を支えるための「家業」を目指す起業なら

1ヶ月に家族が生活するに十分な収入(利益)を元に考える方法があります

上と同じような計算方法で考えられますよね


世のため、人のための「企業」を目指すとするならば

これは難しいですね

あなたの志が問われる時です

お手頃な価格でお腹いっぱい美味しいものを食べてもらいたい

あとちょっと欲しいなというちょうど良い量で最高品質の材料を使い、手を掛けた高級な料理を味わってもらいたい

食べ物屋さんでも志で大きな違いが出てきますよね

また価格による顧客貢献と利益による自社の成長発展のどっちを優先するかも悩むところです。利益を後回しにするか、先にとるかです。


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