知名度ゼロのクマが5年後、年間65億円売れる理由

最終更新: 2018年8月3日

1960年に大ヒットしたダッコちゃんと2008年に大ブレークして今もなお大人気の東京ディズニーシーのキャラクターダッフィーを比較して、成長社会と成熟社会のマーケティングの違いを考えて見ましょう。


今はどんな時代?(成長社会から成熟社会へ)

内閣府のデータによると、日本の人口は2004年の1億2,799万人をピークに減少し続けています。 2055年には8,993万人と30%も減少してしまうという予測が発表されています。 さらに恐ろしいことにその時、高齢化率は40.5%。つまり5人に2人が65歳以上なのです。 あなたの会社はこの変化にどう対応しますか? この本では、人口が増えている時代を私は成長社会、減る時代を成熟社会と呼ぶことにします。 成長社会と成熟社会で人はどのように変わるのでしょうか? 考えるヒントとしてYouTubeで1964年東京オリンピックでの日本選手団の入場行進(5:30頃から)をご覧ください


次にその52年後2016年リオオリンピック(1:35頃から)のとを見比べてみてください。

どちらが良くて、どちらが悪いという話を申し上げているのではありません。 現実としてお客様も、働く人も50年間で大きく変わってしまったのです。 大切なのは、この変化に目を背けず、対応していくことです。 そのための現場力を組織につけることです。

成長社会と成熟社会の違いをまとめると下記のようになります。


ではここから具体的にダッコちゃんとダッフィーのマーケティング的違いについてご説明します

「ダッコちゃん」とは

1960年(昭和35年)7月に発売されて以降、若い女性を中心にブームの兆しが起こった。ぶら下がる機能を活かしてこの人形を腕にぶら下げて歩く女性が時折見られるようになった。マスコミが取材対象とする中で、この商品には「ダッコちゃん」という愛称が与えられた。テレビに登場した結果ブームに火がつき、注文は大幅に増え、玩具店、デパートでは常に在庫切れとなった。デパートが販売のために発行した整理券にダフ屋が登場したこともあったという。1960年(昭和35年)末までに240万個が販売される大ヒット商品となり、製造元の宝ビニール工業所が株式会社タカラ(現:タカラトミー)となる基盤をつくった。(wikipediaより)


ダッコちゃんをマーケティングの4Pで分析するとこんな感じになります









「ダッフィー」とは

2008年(平成20年)の東京ディズニーリゾート25周年企画により知名度が上がり11月以降、ダッフィーのぬいぐるみをパーク内で持ち歩く若い女性が急増した。2009年(平成21年)3月期の関連商品売り上げは前期比3倍程度に急拡大した。2009年(平成21年)ハロウィンやクリスマスの期間には、等身大ダッフィーとの写真撮影に4時間待ちの行列もできるほどである。

オリエンタルランド商品開発部では、特に戦略的に流行を仕掛けたわけでなく、原因は不明。持ち歩きをする人が増えたことで、他の客の目を引き、さらに人気が出るという相乗効果が起きていると考えられている。(wikipediaより)


2つを比較するとこんな感じでしょうか?

ダッフィーは他のディズニーのグッズと同様、シーズンごとに限定の商品が発売されます。例えば、去年のクリスマスのダッフィーとおなじものが今年も売られることはおそらくないでしょう。

価格はどこでも同じです。

そしてダッフィーグッズが他とは大きく異なるのが流通です。東京ディズニーシーに入園しないと買えないのです。

ダッフィーの魅力は限定、限定、限定ですね。


ダッフィーがブレークした年、東京ディズニーランド25周年の年に私は働いていました。

私はランドのウエスタンランドにあるハングリーベアレストランというカレライスのお店で働いていましたが、ここでもダッフィーを連れて来店されるゲストがだんだん多くなっていくのを肌で感じていました。


どうしてこんなに多くの人が…

不思議に思った私は、次の休みにディズニーシーにインポートしてダッフィーを買いに行きました。

アーント・ペグズ・ヴィレッジストアに行って、ダッフィーを選んでレジに行くとそこのキャストさんがこう言いました。

「抱いて行かれますか?」

50過ぎのおじさんにですよ。

その時、ピーンときました。

このキャストさんは、ダッフィーを抱いてディズニーシーのポートを散策する提案をして頂いているんだ。

50過ぎのおじさんはもちろんのこと、たとえ20前後のお嬢さんであってもちょっと恥ずかしくて「抱いていきますので、タグだけとってください」とは、言えないかもしれません。

このキャストにたった一言がダッフィーの大ブームを作ったのだと確信しました。

もちろんディズニーですから、とった一人のキャストさんが勝手に言っているとは思えません。もしかすると戦略的にレジで提案する決まりを作っていたのかもしれません。


ご提案のようにダッフィーを抱いてディズニーシーのポートを散策すると、不思議です。

ダッフィーが、私の抱いているこのダッフィーがまるで自分の子どものように愛おしくなってきます。50過ぎのおじさんででもです。1日ポートをダッフィーと散策するし終わるときには、私にとってこのダッフィーは「ぬいぐるみ」ではなくなります。「うちの子」になりました。ダッフィーの魅力はこんな所にあります。


「ぬいぐるみ」ではなく、「うちの子」なのですから、カワイイ洋服を着せてあげたくなります。ダッフィーのコスチュームセットが売れるのはこんな理由からかもしれません。それも季節によって変わるので、いつもおしゃれできます。


ではどうしてディズニーはこのように素晴らしい商品を開発することができたのでしょうか?


ディズニーはお客が誰だかよく知っているからだと思います。

公式に発表されているディズニーの来園者のデータを元に、は次のように大まかにまとめてみました。

上記からだけでも、代表的ディズニー来園者のプロフィールは、関東から来ている18〜39歳までの女性ということがわかります。

ダッフィーのファンと大きく重なると思いませんか?

きっとディズニーではもっと詳細なデータをとっているでしょう。


どうですか、ダッコちゃんとダッフィーを比べて、買う人も、働く人も減少し、実感として経済の成長が感じれれない時代のマーケティング一部を感じて頂けましたでしょうか?


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