なぜ、ディズニーは好循環が続けられるのでしょうか?

最終更新: 2018年8月11日

 ディズニーで働いて実感したことに、ゲストの見えないところで働いている人がとても多いことです。 

 私たちがパークを訪れる時間にいっぱいいる清掃担当のカストーディアルさん。昼間の活動はそのごく1部で、本格的な清掃は深夜に行われています。


 深夜のカストさんは、日中には清掃できない場所を、ゲストがいないからこそできる方法で綺麗にします。カストーディアルとは、英語で「維持する」という意味で、開業当時に戻すことをゴールに働いています。ウォルト・ディズニーの清掃基準は「地面に落ちたポップコーンを拾って食べられる」だそうで、それを実現させるために、深夜のカストさんたちはパーク全体を水洗いしています。そして夜明けにはゲストが気持ちよく来園できるように、ゲストが触れるものを1つずつ丁寧に拭き上げていきます。


 彼らの終業時間は朝の8時です。彼らが帰宅のために向かう舞浜駅では、夢と期待であふれんばかりの笑顔でエントランスを目指す数多くのゲストたちとすれ違います。自分の仕事に誇りを感じる瞬間です。



 



パレードのリハーサルも深夜に行われます。


ディズニーシーに隣接するホテル・ミラコスタに宿泊すると、見ることができることもあるそうです。


他にも、お花や植木などの植栽がいつも元気に咲いているのもガーデナーさんの世話のおかげです。


このようにディズニーでは24時間365日業務が続いています。


なぜこの循環が上手くいっているのでしょうか

この好循環を一般の企業でも活用出来るようにまとめたのが下記の「マルチプロセッサ社員」という考え方です。

この「マルチプロセッサ社員」には大きく2つの効果を目的にしています。

1)業務の全体最適化と中心業務の品質向上

2)たらい回しや官僚主義の廃止


「マルチプロセッサ社員」は左図の5つの項目で出来ています

レストランの業務に例えてご説明しましょう。


1.中心業務

 どんな仕事であってもまずは、自分の担当業務が正確にできる必要があります。ここではあなたの仕事をレストランのウエイターとして考えますと、好感度の高い接客と、店の雰囲気に合った気持ちよいスピード感。注文を正確にとる、厨房にオーダーを伝える、料理をキチンと提供するなどです。


2.前工程

 ウエイターの前工程は厨房のコックさんです。コックさんが料理を作らないとウエイターはお客様に料理が出せません。

 これは私は人から聞いた話ですが、あるレストランでは厨房の作った料理にフロントのウエイターは文句を付けられないそうです。

 私がディズニーにいた時は違いました。こんなことがありました。「カレーの盛り方がきたない」お客様からのクレームが入りました。日本一多く売れるカレー屋さんです。ご飯は機械で正確によそわれます。カリナリーさんは惚れ惚れするような業でカレーを盛り付け、カレーのお皿は大理石のカウンターの上を飛び交います。このような忙しいなかで店はこれを深く受け止め、キッチンはカレールーをきれいに盛るための工夫をしました。結果プラス3秒(だったと思います)時間がかかると返事が来ました。あなたならどう答えますか?ホールちょっとした会話などで、お客様にお待ち頂く時間を短く感じてもらうように工夫しました。ホールと厨房のスタッフを一時的に交換し、業務の相互理解を深めました。


 ワーク あなたの仕事で、あなたが前工程にかかわることで、前工程と自分の中心業務にどのような良い影響を与える事ができるようになるでしょうか?同じ部署の人たちと、別の部署の人たちとそれぞれ話し合ってまとめ、発表してください。


3.後工程

 ウエイターの後工程はディッシュウォッシャー(皿洗い)です。通常一人でやる場合が多い孤独な仕事です。誰かがやってくると、汚れた食器を持ってきます。仕事がたまってくると「もう、誰も来ないで!」という気持ちになります。同時に「外はどうなんだろう」「みんなで楽しそうだな」っと、うらやましく思えたりもします。

 お皿は食洗機を通せばあとはとるだけですが、スプーンなどのシルバーはそうはいきません。磨かなければなりません。一人でやっていると、なかなか手が回りません。ウェイターはどう関われるでしょうか?簡単です。汚れた食器を持っていったらその時にスプーンを磨けばよいのです。1本で1秒なら10本磨くのに10秒、20本なら20秒。中心業務に影響することなく手伝うことが出来ます。


 ワーク あなたの仕事で、あなたが後工程にかかわることで、後工程と自分の中心業務にどのような良い影響を与える事ができるようになるでしょうか?同じ部署の人たちと、別の部署の人たちとそれぞれ話し合ってまとめ、発表してください。


4.会計責任

 この点についてディズニーはとても厳しい会社だと思っています。ディズニーキャストはゲストのために必ずマップとTODAYという案内を持っています。今は腰からフォルダーを下げていますが、私が働いていたときはズボンの後ろポケットにさしていました。当然数日でマップはぼろぼろになってしまいます。ぼろぼろのマップはゲストに差し上げられないですよね。だから定期的にきれいなものと交換します。ぼろぼろのマップをあなたならどうしますか?ディズニーではキャストはこれを勝手に捨てません。マップは会社の財産だからです。

 一般の会社で例えてみます。会社にあるちいさな付箋やボールペンをちょっとしたタイミングで自宅に持って帰ったとします。ついやっちゃったりすることはありませんか。30円だとして、この行為は会社のお金30円を横領したことになります。

 別の例で言うと、見積書を作るときに、端数調整するからと、会社に勝手に30円値引きをしたりすることはありませんか?本来会社に入るべきお金を入らなくしてしまってます。

 あなたは会社の手提げ金庫から10円硬貨を3枚取りますか?よほどの人でないとそんなことはしませんよね。でもやっているのと同じです。


5.顧客満足

 以上の4つは全て顧客満足を目指して行われています。「ハピネスを提供する」ことga

ゴールです。


ワーク ここまでで、有名な「星野君の2塁打」について考えて見てください。「星野君の2塁打」とはこんな話です。野球の試合で星野君に監督から送りバントの指示が出ました。ところがヒットにしやすい投球があり星野君はバットをフルスイング。2塁打を打って試合は勝利しました。試合後監督は星野君を注意し、しばらくの試合出場停止をしました。

 1.あなたが星野君だったらどう思いますか

 2.あなたが監督だったらどう思いますか

 3.あなたが星野君の親だったらどう思いますか

 それぞれ話し合ってまとめ、発表してください。


お題目だけではなかなか実行できません

ディズニーでは日々の仕事に結び付く「魔法の言葉」があります。

過去のブログで書いていますのでこちらをご覧ください

エビフライカレーがなくなった話をします。


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