【生業】 【家業】 【企業】
あなたはこれから創業するに当たって、この3つのうちから1つを選ばなければなりません。
【生業】とは、自分のため、自分の生活を支えるための会社です
【家業】とは、家族のため、家族の生活を支えるための会社です
【企業】とは、社会のため、世のため人のため、社会を支えるための会社です
【質問】あなたはどれを選びますか?近くにある紙やノートに書いてみてください。
ではそれぞれを、友人関係を例に考えて行きましょう
創業するに当たって、顧客との関係、同業他社との関係、地域社会との関係は重要で、それはまるで人間関係のようだからです。
【生業】とは、自分のため、自分の生活を支えるための会社です
つまり、生業を選んだあなたは、ご自身の人間関係も自分のためと考えたことになります。友人づきあいでも、自分さえ良ければ、利益が得られれば良しとする考え方です。
【家業】とは、家族のため、家族の生活を支えるための会社です
つまり、家業を選んだあなたは、ご自身の人間関係も家族一族のためと考えた事になります。日本では今、家族のつながりが薄くなってきているのでピンとこないかもしれません。
。一族の財産、権力、権威や威厳を守るためにおきるゴタゴタや憎しみ、嫉みなどが現れる、昔の映画やドラマに出てくるお金持ちの一族や財閥がこんな感じかもしれません。
【企業】とは、社会のため、世のため人のため、社会を支えるための会社です
つまり、企業を選んだあなたは、ご自身の人間関係も自分にかかわる多くの人のためと考えた事になります。口では言えますがなかなかですね。人間関係という自分の主体性で変えることができる事ならまだしも、会社というお金が絡む中で考え方の違う複数の人が働くところでは、むずかしいです。
【生業】 【家業】 【企業】
人間関係にたとえると、どれが一番友達が多いでしょうか?あなたなら友人になりたいでしょうか?
会社で考えると、どれが一番取引先や顧客が多いでしょうか?あなたなら取引をしたいでしょうか?
【質問をふたたび】あなたはどれを選びますか?近くにある紙やノートに書いてみてください。前と書いた答えが変わっていたらどうして変わったのか、同じだったらどうして同じなのかも書いてみてください。
会社が、生業でなく、家業でなく、企業であるために、その規模は関係ありません。歴史や顧客の数も関係ありません。経営者であるあなたがどれを選ぶかで決まります。
あなたが企業を選び、利害関係者(顧客、従業員、出資者)に伝えるにあたり、効果的なフレームワークがあります。
あなたの会社の基本的考え方を左記のようなピラミッドでまとめます。
【あるべき姿】とは、あなたの会社が目指す世界、理想の状態の事です。あなたの会社の存在理由、目的を言います。
目的の的は訓読みで「まと」。最終ゴールを言います
【やるべき事】とは、あるべき姿、最終ゴールを実現させるためにあなたの会社がやるべきことです。どんな状況、時代の変化があっても
【目標】とは目的の中間チェックポイントです。目標の標は訓読みで「しるべ」道しるべのしるべです。企業では具体的な数値で表します。
【手段】目標を達成するための手段のことです。これを戦略と言います。
私がよくたとえにするのは登山です。
富士登山では「吉田ルート」、「富士宮ルート」、「須走ルート」、「御殿場ルート」と4つのルートがあるそうです。どのルートで行くかが戦略です。
戦略についてはこの後でも書きますが、ここでは、必ず忘れてはいけない3つのについて書きます。
自社(Company)
顧客(Customer)
競合(Competitor)のことです。
3C分析と言います
経営にはこの3つの目線が必要です。自分目線、顧客目線、競合
目線
ひとは得てして自己中心的なもので、自分目線では考えられますが、顧客目線にはなかなかなれません。ましてや競合目線で自社をつぶしてやろう的な目で自分の会社を見ることはむずかしいですね。
この3C分析の究極の目的は自社分析、自己分析だと思っています
人は自己中心的なのにもかかわらず、自分のことは全く見えていないことが多いです。これはセミナーのアンケートや、メールでブログの感想を頂く的に強く感じます。
自分のことは自分ではわかりません
だから私たちコンサルタントがいるという考え方もあります
戦略をたてるには、冷静な自己分析が必要です
【日々の行動】どんなに目標とその達成のための手段が決まっていても、行動がなければ実現しません。そして日々行動をするにあたり必ず障害に出くわします。その障害を克服するために必要なのがPDCAです。
【まもるべき事】人は弱いものです。「ダグラス・マグレガーのX理論Y理論」というもものがあります。わかりやすく言うと、性善説、性悪説。人はどちらにもなり得ると私は考えます。人は環境によって良くも悪くも影響されやすいものです。どんなに強い意志をもっていても、ちょっとした油断で自分の進むべき道を誤ってしまうこともあります。人は弱い。性弱説です。道を誤らないためにまもるべき事を決めることが重要です。社是、社訓、行動指針と言われるものを作り、みんなで守りやすくする必要があります。
このピラミッドの重要性に気がついたのは、ディズニーでのキャスト経験でした。
下の図の右から2番目のピラミッドをご覧ください。
ディズニーのあるべき姿ヴィジョンは夢のかなう場所です
やるべき事、ミッションはハピネスを提供するです。
そして最も特筆すべきは、まもるべき事行動指針のSCSEが明確に記され、徹底されていることです。パートタイマーの評価基準もSCSEです。
経営者がミジョン、ミッション、行動指針を示さず従業員を雇用することは罪です。それはまるで、サッカーでゴールがどこにあるかを示さず点を取れというのと同じです。走り回る選手は疲れ果て、チームのモチベーションが下がります。
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